200km/hオーバーの世界で確認されたLEGAVELOの安全性と機能性

200km/hオーバーの世界で確認されたLEGAVELOの安全性と機能性

2022.3.4

2022年2月9日 富士スピードウェイ。

気温6℃、風 東1m、天候は曇。

路面温度 4℃   16時~17時。

静岡県富士スピードウェイを専有し、ハンドリングや走行性といった運転に関わるあらゆる事柄についてのチェックを実施。LEGAVELOの安全性を判断する目的でテスト走行を行った。

テスト担当ドライバー

アルネックス 伊与木氏

伊与木 仁(いよき ひとし)

株式会社アルネックス取締役 テクニカルディレクター

1955年 大阪府出身

大学時代からスモールフォミュラー(FL500)、ツーリングカーにてレース活動を始める。 卒業後はレーシングカーメカニック、エンジニアとして、数多くのチーム、カテゴリー車両の製作、開発、レースに従事する。

1988年に鈴木亜久里と共に渡欧、ヨーロッパF3000を戦う。

1990年に帰国、鈴木亜久里のF1引退と共に会社を立上げてARTAプロジェクトに参画する。

2000年より初代NSXのNA1GT500のレース活動に従事、HSV010GTを経て2015年から現行のNSX-NC1でのGT500レースを開始。2018年・2020年の2 度にわたり年間チャンピオンにNSX-GT500を導く。
2021度は(株)本田技術研究所“さくら”に 所属し、NSX-GTの更なる開発に従事する。

エアロパーツのダウンフォース向上と確実な安全性を確認

約1.5kmのホームストレートを持つ富士スピードウェイ。その直線で、LEGAVELOは、最高速度220km/hに数回到達した。パワートレインには一切手を加えていないため、最高速そのものはノーマルのNSXと変わりない。しかし、大型化されたリアディフューザーや各エアアウトレットなど、LEGAVELOにはノーマルにはない特別な意匠が数多く取り入れられている。

そのため、最大のダウンフォースが発生する最高速域で、それらすべてのパーツの強度を確認しなければならない。

220km/hの走行後にはピットに入り、各パーツのブレ・ガタ・ズレなど約120か所をチェック。その結果、すべてのパーツに異常が無いことを確認できた。

テスト走行する NSXカスタムカー VIGALE

「走行中に感じたことは、とにかくダウンフォースが効いていること。それがとてもよく分かった。」

「ホームストレートの220km/hから1コーナー侵入では、リアのダウンフォースが効いているから、ブレーキングでリアが浮くことが無く安定している。エアロパーツの空力効果で、ブレーキングポイントをもっと奥にすることもできると感じた」

「F3000やグラチャンのレース車両に数多く乗ってきたが、ダウンフォースはこれらの車に匹敵すると言ってもいいかもしれない。加えて、ノーマルのNSXの良さを十分に引き出しているといった印象だ。また、マクラーレンGTRに以前乗ったが、安定感という点では非常に似ている。」

ビジュアルとサウンド、走行フィーリングまで向上

NSXカスタムカー VIGALE

LEGAVELOのメインパーツでもあるのが、他に類を見ないインパクトを与えられたセンター4本出しのマフラーだ。

マフラーエンドの素材にはステンレスを使用。外装の雰囲気に違和感なく馴染みつつ、ステンレス特有の硬質な輝きと鋭さを両立した。
また、マフラーエンドは奏でるエキゾーストノートに大きく影響を与え、走る楽しさや爽快感をドライバーに訴えかける。

「マフラーサウンドが、非常に心地よい。特に4000回転以上のサウンドがよく、レースエンジニアの心が揺さぶられる。音質も高すぎず、低すぎず、センター4本出しマフラーの乾いた奏でるサウンドは、まるで空気を切り裂くような印象を受けた。」

「しかも、200km/hを超えてもうるさくなく、車内では助手席の方と問題なく会話ができた。保安基準にも適合しているのだから、安心と楽しさを両立した素晴らしいマフラーとなっている。」

テスト走行する NSXカスタムカー VIGALE

サスペンションがノーマルと同じとは言え、ここまでのカスタマイズを行った場合、少なからず走行フィーリングに影響を与えてしまう恐れがある。しかし、LEGAVELOのパーツたちは、NSXのアイデンティティを尊重し、本来持つ素性の良さを決してスポイルしないよう開発された。

「ピッチング(前後方向の姿勢変化)の感覚がしっかりしていて、掴みやすい。これは本来NSXが持つ素性の良さを損なうばかりか、良い方向に引き出している証だ。」

「荷重移動の感覚がしっかり分かるため、コーナー入り口でのターンインがスムーズ。結果、ハンドリングに怖さを感じない良い影響を与えている。」

伊与木氏も熱視線を送る造形美と機能美

テスト走行する NSXカスタムカー VIGALE

半世紀以上レースに関わり、自らもステアリングを握った経験を持ちつつ、世界のトップカテゴリーでその手腕を発揮し続けている伊与木氏。レースとスポーツカーを知り尽くしている同氏に、LEGAVELOのデザインについて感想を聞いた。

「NSXの純正リアフェンダーにある吸気口は、ややノッペリとしたデザインで造形美というものがあまり感じられず、個人的にはあまり好みではなかった。しかし、LEGAVELOのリアフェンダーは、エッジの効いたボリューミーなもので、まさしく造形美を感じる。」

「よく見ると、インタークーラー部分の吸気口は拡大されていて、冷却効果を向上させていることが分かる。この車両のリアフェンダーを見た時に、造形の美しさだけでなく、機能性も兼ね備えていると感じた。」

「インタークーラー・タービン・エンジン側、この3か所の吸気口が分かれているデザインは素晴らしい。やや優等生すぎるノーマルには無い攻撃的な要素で、なによりもカッコイイと思う。」

安全性があってこそ提供できる特別な体験

NSXカスタムカー VIGALE

ARTA MECHANICS第一弾のカスタムカーとして誕生したLEGAVELOの特徴は、何と言っても他に類を見ないエッジの効いたメカニカルなエクステリアデザイン。さらに、ドライカーボンをはじめとした、本物の素材を贅沢に使用していることだ。

しかし、ただ見た目をカッコ良く取り繕うだけでは、ARTAがカスタムカーを作り出す意味がない。

オーナーだけが得られる特別な高揚感と、運転をより楽しくするレスポンスの良いドライブフィーリング。さらに、保安基準に適合しつつ、確実な安全性も担保しなければならないのだ。

今回、富士スピードウェイでのテストにより、法定速度をはるかに超えるような速度域でも、各パーツの強度と安全性を確認できた。

NSXの新たな未来、そして特別なユーザーエクスペリエンスを、ARTA MECHANICS第一弾の車種LEGAVELOが切り拓き、指し示す。

ArtaArta mechanics