「冷却と空力」「機能性とデザイン性」高いバランスで仕上げられたリアセクション
2022.6.15
ミッドシップレイアウトのNSXにおいて、リアセクションのデザインは重要なポイントの1つだ。性能のバランスを崩さずに個性的なデザインを施すには蓄積されたノウハウと高度な技術力。LEGAVELOのリアセクションには、ARTA MECHANICSのこだわりが詰め込まれている。
リアセクションの作りはミッドシップレイアウトの要
ホンダ NSXが採用しているのは、シートとリアタイヤのあいだにエンジンを搭載するミッドシップレイアウト。優れた前後重量配分を実現するミッドシップレイアウトは、思った通りのラインをトレースできるコーナリング性能を発揮する。
そんなホンダのフラッグシップスポーツカーであるNSXには、走行性能を最大限発揮するデザインが施されているのは当然だ。
LEGAVELOの開発にあたって重視したのは、カスタムカーらしい個性とNSXがもともと持っている素性の良さを活かすこと。メーカーの緻密な計算に基づいた設計をないがしろにすることなく、唯一無二の個性を両立させなければならない。
エンジンをリアセクションに搭載するミッドシップレイアウトは、走行性能を高める空力性能と、エンジンをはじめとした動力機構の高い冷却性能を両立しなければならない。
LEGAVELOのリアセクションは、純正にないマッシブなデザインと、空力、冷却性能のすべてを高次元で融合させている。
リア側面部のデザインは緻密さとダイナミックさを融合
リアセクションの側面部でひときわ存在感を放っているのが、純正よりも大幅に大型化されたエアインテークだ。デザイン的に直線的なこととワイド化されたことで、迫力のあるデザインになっている。ハイパワーターボ車の課題であるインタークーラーの冷却性能を高めると共に、LEGAVELOの持つ力強さを表現したデザインだ。
力強さの表現のもう一つは、フェンダー上部を純正よりも角張ったデザインを採用したこと。角をつけることでワイド化がより強調され、GTカーのようなたくましいイメージになっている。
また、フェンダー上部にはタービン冷却用のダクトを追加。角のあるデザインとワイド化で広がったスペースを冷却性能の向上にいかしている点にも注目だ。
そして、細かな点だがリアフェンダーの側面部はわずかに膨らみのあるデザインを採用。ほんの少し丸みを持たせているだけだが、リアの安定感を視覚的に表現している。垂直に切り立ったデザインのフロントフェンダーとの対比で、黒一色のボディでも単調に感じさせない。
高い機能性とデザイン性を兼ね備えたリアビュー
LEGAVELOのデザインで、もっとも純正と異なった印象を受けるのがリアビューだ。テールライトの形状こそ純正と同じだが、純正にはない迫力と個性が与えられている。
より立体感を強調したリアバンパーとガーニッシュは、中央部に落ち込んでいくラインと、中央部から下部に向けて広がるラインを形成。さらに、左右に大型のダクトを設置することで視覚的な重心を下げ安定感を演出した。
そして、デザインと性能両面で大きな役割を果たしているのが、大型のリアディフューザーだ。リアディフューザーは、車体下部の空気を整流することで流速を上げ、スムーズに排出することでダウンフォースを発生。LEGAVELOのリアディフューザーは、GTカーのように後輪付近まで達する大型なものとなっており、見た目だけではなく確実な整流効果を発揮する形状となっている。
リアビューのデザインで、LEGAVELOのコンセプトを表現しているのが、立体文字で成形されたエンブレムだ。過度な華飾をあえて施さず、ボディカラーと同様のブラックカラーで制作。色味の派手さは抑えつつも、存在感のある太目なフォントを使用しLEGAVELOが特別な存在であることを主張する。
フラッグシップモデルとしてNSXに敬意を払い作り込まれた内装
ミッドシップレイアウトのリアセクションのカスタマイズは、もともと持つ優れた走行バランスを崩しやすい。しかし、LEGAVELOはNSX持つ素性の良さを最大限引き出す機能性を持たせつつ、ブランドのコンセプトをしっかりと表現している。
直線と曲線を組みわせることで、GTカーのような力強さとタフさを感じさせながらも、大人のスポーツカーとして街中で普通に乗れるデザインを実現。機能性だけを追求すると現実離れしたデザインになりかねないが、デザインだけを追求するとクルマ本来の楽しみは味わえない。
ミッドシップレイアウト車の設計に欠かせないリアセクションの高度なバランス感覚は、LEGEVELOの持つ魅力のひとつだ。