GR86のカスタムカーが纏うのは日本の職人が作り出す究極の超光沢シルバー
2022.11.29
ARTA MECHANICS第2弾のカスタムカーとして、開発が進められているGR86。今回はまさにカスタムの“キモ”となる究極のシルバー塗装についてご紹介する。
ARTA MECHANICS開発1号車「LEGAVELO」に通ずる塗装へのこだわり
クルマの塗装は、オーナーだけでなく見る者すべての受ける印象に大きく関係する。どんなに凝ったデザイン、こだわった造形であっても、塗装のイメージが合わなければ台無しになってしまう。
ホンダ NSXをベースにしたARTA MECHANICS開発1号車である「LEGAVELO」では、上品かつメカニカルなスタリングを際立たせるハーフマッドのブラックとした。
その結果、レーシングカーや戦闘機のような角のあるシャープさと、アスリートの筋肉を思わせる曲線が調和。その結果、他に類を見ないまったく新しいNSXのカスタムカーを生み出すことができたのである。
国産を念頭に置いたコンセプトと思いを形にする特別な塗装
ARTA MECHANICSがカスタムカー2号車のベース車両に選んだのは、2代目のトヨタ GR 86だ。スポーツカーという意味で大別すればNSXと同じにも思えるが、価格はもちろんのこと、開発コンセプトや主要となるターゲット層が大きく異なる。
私たちがGR86のカスタムカーに求めるものは、外車のようなこれ見よがしの派手さや速さではない。これまでのカスタムカーにはなかった上質さと、オールハンドメイドインジャパンだからこそ生み出される本物の価値。そして、誰も見たことがない、新たなGR86でなければならない。
もちろん、保安基準に適合し、メーカー保証の規定も満たす安心安全なクルマであることは絶対条件だ。LEGAVELOの製作でも守ってきた基準は、絶対に変えることが許されない。
なんでも許されるわけではない限られた条件の中で、いかに表現していくのか?その一つの答えが完全オリジナルのカラーリング“塗装”だ。
追い求めたのは日本刀を彷彿とさせる究極のシルバー
GR86のカスタムカーが纏うのは、日本の市販車では絶対に作り出せない艶や鏡面を持った金属質そのもののような究極のシルバーだ。
シルバーと言うと、世間では汚れの目立たない無難な色と思われがちだが、質感を追い求めるのがもっとも難しい色とされている。シルバーはその色自体が光を反射するため、見る角度や光の加減によって、ボディの凹凸感が薄れのっぺりとした印象になってしまう。
しかし、あえて難しいとされているシルバーを選んだのは、国産車とも外車とも違うシャープなイメージを生み出すためにほかならない。
日本の職人により通常塗装の倍近い手間をかけて仕上げられる
目指したのは、粒子感のある一般的なシルバーではなく、まるで本物の金属のような艶と質感を持った“超光沢”のシルバーだ。
先にも言ったように、シルバーは色そのものが光を反射する。そのため、各層にわずかでも凹凸感が残ってしまうと光が乱反射し、金属のような滑らかさは出せない。しかも、鏡のような超光沢目指すとなれば、なおさら凹凸を残してはならないということになる。
どんなクルマであってもベースカラーやクリアなど、複数の層で構成されており、一部の特殊な車種を除き一般的な国産車で3~4層。対して、GR86のカスタムカーに採用したシルバーは最大で8層にもなる。もちろん、ただ塗料の層を重ねるだけでなく、必要最小限の厚さで構成され、ボディの造形を一切邪魔することはない。
そして、1層塗装するたびに鏡面レベルの磨きをかけ、凹凸感のない塗膜を塗り重ねることで、鏡のような輝きと奥行き感を実現することができる。
職人の技と経験がこれまでになかった究極の国産スポーツカーを生み出す
ここまででお分かりのように、超光沢シルバーで“キモ”となるのは、均一に同じ厚さでムラなく塗料を吹き付ける技術と繊細な磨き作業だ。当然これらの作業は機械ではなく、すべて手作業で行わなければならない。
究極のシルバーを実現させるために欠かせないのが、私たちARTA MECHANICSと志を共有し、豊富な経験と類いまれな技術を持った職人の存在だ。そんな職人と膨大な手間ひまを掛け合わせることで、ようやく辿り着ける”塗装の境地なのである。
空気を切り裂く日本刀のようなシャープさを持ったGR86のカスタムカー。そして、執念にもみた職人の技と志を、ぜひその目で感じ取ってほしい。