LEGAVELOに続く第2弾カスタムカー、公開前に土屋圭市氏が語る 後編
2023.1.11
第2弾カスタムカー「VIGALE(ヴィゲイル)」の内装と乗り心地について
後編では、まず内装について。以前のNEWSでもお伝えしていますが、2号車のシートに採用したのは老舗シートメーカー“BRIDE”。1981年の設立以来、レーシングスポーツをメインとしたスペシャルカーシートの専門メーカーで、メイド・イン・ジャパンにこだわった熟練の職人たちによるものづくりに定評があります。
そんな“BRIDE”が手がけたオリジナルシートは、何度も試作を繰り返して誕生させた傑作。表皮の縫い合わせはすべて手作業といいます。
スーツやシャツでも手作業、“ハンドメイド”で仕立てられたものって着心地が良い。スピーディで正確、高い耐久性を誇るマイシンメイド、機械で縫うのとは異なり、箇所によって糸のテンション(ハリ具合)をコントロールできる手縫いは遊びが生まれ、ふっくらと柔らかい着心地を堪能できます。
シートの縫い合わせも同様。ミシンだと均一の力でカッチリと縫い上がり、硬さが出てしまうわけです。これは乗り心地、座り心地に直結します。
土屋さんが、「車は乗り心地が大事。車内での滞在時間を快適にする上で、とくに重要なのはシート。ただ体を預けるだけでなく、快適性や絶対的な安全性を担保しなければなりません」と語るように、車に乗る上で機能性・快適性というのは欠かせない。
「しかし、機能性だけでは不十分。シートは車内の雰囲気に大きく影響するから、見た目にも徹底してこだわらないと、せっかく美しく仕上げた外装を壊します。そこで表皮を切り分ける意匠線、複数素材の配置などにこだわりながら、簡単ではなかった試作を繰り返し、機能性だけでなく、デザイン性にも優れたオリジナルシートを誕生させました」。
ちなみに、シート側面に使用したのは、動物由来のものを使わずに本革の構造を再現した新しい人工皮革のヴィーガンレザー“ビガプリモ”。シボ感のある素材感に合わせて、ウルトラスエードのパイピングデザインも取り入れています。
また、ヘッド部分に使用したのは“レガート”レザー。ソフトな風合いで、湿気の多い日本の気候でも劣化しにくいのが魅力です。
どれも、"BRIDE"が手がける、ワンランク上のプレミアムスポーツシートブランド「edirb(エディルブ)」で使用されている新素材。シボの雰囲気や、光沢とマット感などテクスチュアの異なる3種の素材を使い分けることで、それぞれがお互いの良さを引き出し合って、奥行きのある黒を表現。外装とバランスの調和した高級感を醸し出しています。
「職人の技術が結集したシートは、ぜひ一度生で見て、そして実際に座って体感していただきたい。スポーティな側面を備えながら、モダンでいてラグジュアリー、贅沢な乗り心地を体験できるはずです」。
“見た目がカッコイイけど、窮屈で着心地の悪い服は着なくなる。逆に、着心地が抜群でも、見た目が不恰好な服は着たくない”。これは車だって同様です。
2023年1月の東京オートサロン2023にて披露される2号車は、高評価を得ている外車にも引けを散らないカッコイイ車でありながら、内装や乗り心地も優れた、本当の意味でのラグジュアリーなカスタムカー。
きっとこの車が似合うのは、知的好奇心が旺盛で、事業などで成功をおさめるなど能力が高い人。もちろん内面を磨くだけにとどまらず、つねに美学を追い求め、ほど良く身体を鍛え、清潔感だって忘れない。なにごとにも豊かで、品良く生きる人なのでは。
こんな人が、愛するパートナーを乗せてスポーツカーを楽しんでいたら、どこか色気が漂っていて素敵ですし、真のリッチ、ラグジュアリーではないでしょうか。
もちろん、これまでにスーパーカーやスポーツカーに乗った経験がない方々にも、この2号車はおすすめです。これからの人生をより豊かに、そして楽しく過ごすために、この車を選んでみてはいかがですか。
谷中龍太郎
ファッション エディター。さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、干場義雅が編集長をつとめる講談社のwebマガジン『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。