VIGALEに込めた“リフィニッシュ”の核とスポーツカー新時代を切り開くスペックに迫る
2023.3.14
東京オートサロン2023で、カスタムカー第2弾として華々しいデビューを飾った「VIGALE」。マッドブラックの装いにラグジュアリーな雰囲気を纏う「LEGAVELO」と対をなすような、超光沢シルバーとシャープなラインに意表を突かれた方は多いだろう。
VIGALEをリフィニッシュさせるにあたり、ARTA MECHANICSがこだわった“核”とは何か。VIGALEが誕生した背景と共に振り返る。
日本の自動車産業へのリスペクトが根底にある「VIGALE」
VIGALEはトヨタ GR86をカスタムしたスポーツカーだ。1号車「LEGAVELO」のベースであるホンダ NSXと“クルマ本来の運転を楽しむ”理念こそ同じだが、価格帯やポテンシャル、ターゲット層は全く異なる。
なぜ、あえて一般ユーザーに親しみやすいGR86を選んだのか。その理由は「日本の自動車産業へ敬意を払いたかったから」にほかならない。ARTAの母体であるオートバックスはカー用品店。つまり、日本の自動車産業の発展があってこそ成り立つビジネスだ。
トヨタ自動車は、国内自動車産業を牽引し続けている自動車メーカー。ベースの状態から愛されてきたGR86へのリスペクトを忘れずリフィニッシュすることで、感謝の意を表すとともに、日本のスポーツカー市場に新風を巻き起こしたいという想いが込められている。
フルカスタマイズカーを“リフィニッシュする”という新たな挑戦
VIGALEのベースであるトヨタ GR86は、2代目86に位置する。しかし、実のところは「GAZOO Racing」というトヨタの社内カンパニーがチューニングした、いわばメーカー直系のフルカスタマイズカーだ。
自動車メーカーによって磨き上げられたカスタムカーを、さらにリフィニッシュする。これは、ARTA MECHANICSにとっても大胆なチャレンジだった。
ARTA MECHANICSが提唱する『余計なものを詰め込みすぎず、ベース車のポテンシャルを活かして昇華させる“リフィニッシュ”』を実現するために必要なもの、余計なものは何か。保安基準を遵守しながら、いかにGR86をより“かっこいい”クルマに仕上げるか。
一つひとつの要素を吟味した結果、ラグジュアリーかつパワフルなLEGAVELOとは相異なる、シャープでエッジの効いた「VIGALE」を誕生させた。
リフィニッシュで“ただひとつ”を表現するためにこだわった超光沢シルバー
ARTA MECHANICSらしさを表現するためにこだわった核のひとつに、ボディーの塗装がある。“個性”に捉われがちなカスタムカー市場で、VIGALEはあえて定番色であるシルバーをチョイスした。国産車でも外車でもない“ただひとつ”を作るために。
ちなみに、“無難な色”と周知されているシルバーだが、実は非常に奥の深い色だとご存知だろうか。光を反射しやすい色であるため、エッジやプレスラインがぼやけてしまいチープな印象になりかねない。
難しいカラーだからこそ、ARTA MECHANICSが挑む価値があった。VIGALEが纏っているのは、ただのシルバーではない。職人が手作業で幾重にも重ねた塗料の層が成すボディーは、クリアな立体感と上品な輝きを放ち、日本刀のような端厳な姿を彷彿とさせる。
これまでの常識に捉われない新しいスーパーカー、スポーツカーを作るための労苦は惜しまない。ARTA MECHANICSの根底にある“リフィニッシュ”の概念にこだわって生み出したオリジナルカラー「JAPAN SWORD」は、VIGALEを独特の存在感を放つ「ただひとつのカスタムカー」へと昇華させた。
乗り心地・デザイン・安全性に一切の妥協を許さない“新時代のスポーツカー”
VIGALEのこだわりは、見た目だけではない。ひたすらクルマのパフォーマンスに目を凝らしてきた「HKS」の技術を総結集した「ハイパーマックスS」をARTA MECHANICオリジナル仕様へと変更し、上質な走り心地を実現。
さらに、超一級の素材を手縫いで仕上げたシートは程よい遊びが生まれ、張りがありつつふっくらとした、非の打ち所のない乗り心地に仕上がっている。もちろん、メーカー保証の規定も満たしており、安全性にも一分の隙はない。
VIGALEは、国産車の“安定感”と外車の“カッコよさ”を備えた、新時代のスポーツカーだ。
ARTA MECHANICSは、『ベース車のアイデンティティを活かしつつ、新たな存在感を構築するリフィニッシュの概念』を尊みながら、第3極へのブランド領域へとこれからも歩み続ける。