MY LIFE ON WHEELS #3
車にまつわるさまざまなことに向き合うGORDON MILLERチームのメンバー。それぞれが自らの愛車や日々送っているカーライフからインスピレーションを受けながら活動を行なっています。車に求めるものや好むスタイルはメンバーによって千差万別。それらが混じり合うことで、GORDON MILLERのさまざまなアウトプットに結びついています。そこで、この連載ではGORDON MILLERチームのメンバーやゆかりのある人々の車とスタイルの片鱗をお伝えしていきます。
第3回目は、2015年式 FIAT 500Sに乗る GORDON MILLER KURAMAEスタッフ鞭馬へのインタビュー。
途切れることのないファーストカーへの愛
- 鞭馬さんはFIATの500Sに乗られていますが、なにかきっかけはあったのでしょうか。
スケートばかりしていた20歳過ぎくらいの頃ですかね、それまではさほど興味はなかったんですが、急に車に乗りたい気持ちがふつふつと湧いてきて、免許をとってすぐに買ったのがこの車だったんです。父が欧州車ばかりに乗る人だったので自分もそこへの憧れはあって、候補になる車種はたくさんあっ たんですが、最終的にはこの車の試乗をした瞬間すぐに決めてしまいましたね。
- この車がファーストカーだったんですね。それからずっと乗っている理由、魅力はどこにあるのでしょうか。
まず、コンパクト、スポーティー、マニュアル、ホットハッチ、求めていた要素をすべて兼ね備えている車なんですよね。現行モデルでありながらちょっとクラシックというかノスタルジックな趣きを持っているのがいいところかなと思っています。そして何より、875cc 2気筒エンジンのバイクのようなドコドコとした音と振動、これが乗っていて楽しいんです。
小さくて可愛らしい見た目に反して迫力のあるエンジン音、きびきび走る感覚のギャップが、飽きのこないポイントかもしれません。いつまで乗ろうと 明確に決めているわけではないですが、乗り換えたい車もいまはないのでまだまだ乗り続けるつもりです。
- 長く乗られている中で手を加えている部分も多々あると思います。
そうですね、見た目はあまりノーマルの状態から離れさせたくはないのですが、乗り心地に関わるところや細かい箇所については自分の好きなものを取 り入れています。例えば、FIATの車はシート位置が高い傾向があるので、(ブリット)のシートに変えて着座位置を少し低くしています。その他にはハンドルやマフラーを変えていたり、小ネタとしてはリアワイパーキャップの代わりにスケートのウィールをつけたり。よくよく見ると「ん?」ってなるくらいの塩梅ですね。
シートを変えたことでベストな着座位置を実現。
車全体のテイストに馴染んだクラシックなハンドル。
バイクのような排気音が際立つマフラー。「以前はキャンプ場でマフラーが取れて落ちてしまったこともありました」
リアワイパーキャップの代わりに着けたスケートのウィール。さりげない部分に個性があらわれる。
一方で、走行距離が50,000kmを超えたあたりからは軽微なものからわりと手のかかるものまで、不具合が起こる回数が増えてきています。イタリアの車で気候も違うし、不具合は起きて当然といえば当然なんですよね。洗車ついでにエンジンフードを開けて覗いたり、ボディの細かい傷に気付いたり、そういう日常的な点検、付き合いの中で少しずつ手を加えるような、カスタムというよりメンテナンスに近い手の加え方が多かったかもしれません。やっぱり生き物みたいなところがあるので、調子が悪くてもどうしてあげたらまた元気になるかな、なんて思いながら自宅でいろいろと試行錯誤を繰り返して、無事にまた快調になって走れたときの喜びみたいなものは印象的でした。
- 愛車の調子を自らの手で整えていけるのはとてもGORDON MILLERのスタッフらしいところかもしれませんね。
GORDON MILLERに入る前から見よう見まねで日常的な整備はしていたんですが、勤めるようになってからは整備士出身のスタッフからいろいろ教わっ ているところです。もっと知識や経験を身につけたいですし、お客様と普段お話しするときにも、自分の車のエピソードを交えてお話しできるほうが説得力があると思いますしね。
キーケースは革を自ら加工してつくったもの
日本ではきっと唯一無二なブランド
- 鞭馬さんはGORDON MILLER KURAMAEのスタッフの中でも変わった経歴をお持ちですね。
スタッフの大半は車の業界で経験を積んできているので、車業界の外から来た自分は確かにすこし経歴が違う部分はありますね。自分はこれまでずっとアパレル関係一筋で、ストリート系のブランドから百貨店に売場があるフォーマルなテイストのブランドまで、幅広く経験しました。元々音楽やスケートを きっかけにアメリカンカルチャーに傾倒していて、好きなカルチャーに触れながらできる仕事を求めてアパレル業界に入ったんです。そういう意味ではファッションと車、それらを取り巻くカルチャーに触れながら仕事ができる楽しさという点では何も変わっていないかもしれませんね。
- そもそもGORDON MILLERに加わるきっかけはどのようなことだったのでしょうか。
自分の車のことでオートバックスの店舗に足を運ぶことも多かったんですが、その際にGORDON MILLERの商品を目にしていて知ってはいたんですよ ね。また、アパレル時代からの知り合いが当時GORDON MILLERに携わっていて、実は何度かモデルとしてGORDON MILLERのウェブサイトやSNSに出させていただいたことがあったんです。その縁でこのお店のオープンのタイミングで参加することになりました。
自分がこれまで扱ってきた洋服やグッズと自分の好きな車、そのふたつが共存する業態は日本できっとここだけだと思いますし、こんな仕事ができるのは 実際楽しいです。
- ファッション業界出身の鞭馬さんから見たGORDON MILLERの特徴はどこにあるでしょうか。
せっかくなのでウェアの話をしたいと思うんですが、自分は普段からGORDON MILLERの服を着ていることが多いんですよ。
なにかカルチャーに付随していたり蘊蓄やバックグラウンドがある服がずっと好きだったんですが、そういう意味ではディテールや素材選びに意味や理由があるGORDON MILLERの服はすごくしっくりくるんです。
かゆいところに手が届くような工夫や意図のある仕様を突き詰めた結果、万人受けする??という仕上がりになっていることも多々あると思うんですが (笑)、それが個性や特徴に繋がっていますし、それを着て出かけたり運転したり日常を過ごしたりするのはやっぱり気分がいいです。もちろんウェア以外のプロダクトも等しい目線を向けて作られているので、同じことが言えますね。
「好きな車でやればいい」
- GORDON MILLERのアイテムを取り入れているお客様の中にはアウトドアや旅に傾倒している方も多いと思いますが、鞭馬さんはいかがでしょう か。
温泉を目指しがてらに静岡や山梨方面に走りに行ったり、実家が関西なので車を走らせて帰ったりもします。長い距離を走るのはそこまで得意ではない のですがフェリーに乗って本州の外、九州や北海道の土の上に自分の車を乗せてみたい願望もあるので、お客様のロードトリップの話は気になります ね。キャンプに行ったりもしていますよ。テントを立てたりするのが面倒に感じてしまうので車中泊することのほうが多いですね。
車内には常に何かしらのアイテムを常備しているという鞭馬さん。「キャンバスシートカバーのようなラギッドな商品も案外相性がいいんですよ」
- 一見キャンプや車中泊とは結びつきにくい車種だと思いますが...
確かに小さい車ですしね。ただ、あの車で試行錯誤しながら快適に寝る、というのもまた一興というか。小さいとはいえ車は第二の家ですからね。キャンプを例にしても、どんな車でないといけないということはないと思うんです。自分の車もきっといわゆる「アウトドアっぽい」ものではないと思う んですけど、自分の車みたいに小さい車でもバンライフ的なことができないかというとそうでもないし、道具や方法次第でなんとでもなります。大切なのはその車といて楽しいというところですよね。運転するのが楽しい、どこか景色のいいところに停めて一息つくのが楽しい、いろいろ違いはあれどこの車の中にいたいという感覚を強く持たせてくれる車と過ごすべきだと思いますし、好きな車でやればいいんです。
そういう目線でいると、いろいろな車に乗ってこられるお客様とも共感できるポイントが多いんです。GORDON MILLER MOTORSのような車に乗っている方と500Sに乗っている自分が同じ感覚で楽しく語らうことができる、それってすごくいいことですよね。
- GORDON MILLERとしても広く門戸を開いているということですね。
そうですね。車種問わず、傾向問わず、ジャンルや趣味を問わず、一度お店に足を運んでみていただきたいです。どんな車に乗っているとかいじっているとかいじっていないとか、アウトドアが好きか否かとか、そういった前提抜きで遊びにきていただきたいです。きっとなにか楽しい気付きやアイデアがあるはずです。
まだまだ自分も学ぶことが多いので、いろいろなお客様をお迎えしながらアップデートしていきたいなと思います。
鞭馬 広 | GORDON MILLER KURAMAE スタッフ
車から各種ギア、ウェアまで幅広い知識を持つ直営店の若手スタッフ
FIAT 500S(2015年式)