東京オートサロン2023で披露したGR86ベースの特別なカスタムカー「VIGALE」誕生の秘密

東京オートサロン2023で披露したGR86ベースの特別なカスタムカー「VIGALE」誕生の秘密

2023.2.10


ARTA MECHANICSがカスタムカー第2弾として制作した「VIGALE」が東京オートサロン2023でお披露目された。ARTAのブースでは、株式会社オートバックスセブン ライフスタイル事業担当 執行役員 小曽根 憲氏とARTAクリエイティブディレクター 小野 勇介氏によるトークセッションを開催。トヨタ GR86をベースに個性的なフォルムに仕上がったVIGALEに込めた想いを両名が熱く語ってくれた。

ARTA MECHANICSカスタムカー第2弾「VIGALE」のこだわりは国産であること

GR86カスタムスポーツカー VIGALE ヴィゲイル

ホンダ NSXをベースに開発したLEGAVELOの登場からちょうど1年。ARTA MECHANICSは、カスタムカー第2弾としてトヨタ GR86をベースにした「VIGALE」を発表した。

ベース車両としては、スーパーカーであるNSXから大きな方向転換となったが、そこにはARTAの想いが詰まっている。

VIGALEの特徴やデザインに込めた想いと合わせて紹介しよう。

GR86を選んだ理由は日本の自動車産業へのリスペクト

東京オートサロン2023 小曽根憲

「ARTAの母体であるオートバックスはカー用品店なので、自動車産業のなかでは中立な立場にあります。我々のビジネスが成功しているのは、日本の自動車産業が発展したことが大きな要因です。」ARTA MECHANICSがカスタムカー第2弾を選んだ理由を尋ねられて、小曽根氏はまず日本の自動車産業とオートバックスについて述べた。一見ベース車両選びには関係なさそうだが、次のひと言でカスタムするクルマそのものに対するARTAのリスペクトが明らかになる。

「そこで第2弾には、日本の自動車産業を牽引してきた国内No.1自動車メーカーであるトヨタさんから選ばせていただきました。」単に"国産"というだけではなく、日本のスポーツカー市場全体に影響を与えたいというARTA MECHANICSの想いを込めての車両選定だったのだ。

"国産"を想起させる日本刀をイメージ

東京オートサロン2023 小野 VIGALE

「LEGAVELOで掲げた"TOUGH(タフ)&HIGH RESPONS(ハイレスポンス)"という世界観を、どうGR86に反映するかという点が大きなテーマでした。」と、VIGALEのコンセプトを話し始めた小野氏。続けて「強さ(タフ)という考え方を広げて、"SHARP(シャープ)"というイメージを加えました。日本刀をイメージした強さです。」

メインテーマはしっかりと踏襲しつつ、クルマに合ったコンセプトを設定する。クルマを知り尽くしたARTAだからこそ、ベース車両の魅力を最大限引き出せるのだろう。

形と色で表現するタフさとシャープさ

「正面からサイドにかけては、シャープで流れるような日本刀をイメージしています。」クルマ全体のデザインイメージについて小野氏は語る。

さらに、ARTA MECHANICSのタフなイメージを明確に踏襲する箇所についても明かしてくれた。「リアの部分は、シャープな部分からのギャップという意味で下半身をタフに作り込んでいます。1台のなかでのギャップを楽しんでいただきたいという想いでつくりました。」

LEGAVELOとは異なる方向性のデザインながら、レーシングチームARTAがアイデンティとして大切にしたい部分もしっかりと残されている。

「日本刀の切れ味をさらに際立たせるために、ライトシルバーを磨き上げて超光沢にしました。」と、小野氏は展示車に施された特別色の意味を説明。「色の名称も"ジャパニーズソード"としています。」VIGALEがいかに"日本刀"にこだわったのかも紹介してくれた。

乗る人を絞り込んだからこそ実現した踏み込んだデザイン

GR86カスタムスポーツカー VIGALE ヴィゲイル

日本刀をイメージしてデザインされたVIGALEは、特別なGR86に仕上がっている。価格も含めて決して万人受けする仕様ではないが、だからこそユーザーが最大限の満足感を得られるデザインを採用できた。

VIGALEをどんなユーザーに乗ってほしいか、小曽根氏が詳しく語ってくれた。

GR86に既に乗っている方

「日本には86に乗る方はたくさんいます。86オーナーのなかでも、人とは違うデザインを希望される方やグレードを上げたい方に乗っていただきたい。」

小曽根氏は、GR86に乗る人を漠然とイメージしているのではなく、個性を求めるユーザーにこそ乗ってほしいことを明かした。

アスリート & エグゼクティブの選択肢として

"アスリート&エグゼクティブ"は、LEGAVELOリリース時からARTA MECHANICSがブランドイメージとして掲げている。GR86をベースとしているVIGALEについても、「日々忙しくしている経営者で、1,000万円前後のスポーツカーを探している方に選んでいただきたい。」と小曽根氏は語る。

カスタムすることで、本来選択肢に入らなかった層にも新たな提案をしたい。ARTA MECHANICSの目指す形がVIGALEで具現化されている。

ファミリーカーやセダンからスポーツカーへの乗り換え

「若い頃スポーツカーに乗っていた方が、再びスポーツカーに乗り換えていただくことも目指しています。」

クルマ選びはライフステージによって大きく影響される。スポーツカーが好きでも、ファミリカーやセダンを選ばざるを得ないこともあるだろう。ライフステージがあがって、次を探しているユーザーにこそ選んでほしいクルマがVIGALEだということだ。

「セカンドカーとしても、最適な1台だと思います」小曽根氏はそう言い切った。

国産車GR86がベースとは思えないVIGALEの話は尽きない

東京オートサロン2023 セッション

イベントの冒頭で司会のAlee氏からVIGALEの話題を振られると、小曽根氏、小野氏のトークは止むことなく続く。

トークセッションは「ARTA PRESENTATION」と名付けられ、リブランディングや新木場にオープンする旗艦店の話など幅広い話題が用意されていたため途中で切り上げざるを得なかった。もし時間に制約がなければ、両氏はVIGALEの魅力をもっと語っていたことだろう。

ARTA MECHANICS開発陣がこだわったVIGALEは、2023年春オープン予定の旗艦店「ARTA MECHANICS & INSPILATIONS」に展示される予定だ。「TOUGH&HIGH RESPONS」に「SHARP」を加えた切れ味鋭い個性的なデザインを、ぜひ間近でご覧いただきたい。

ARTA MECHANICSの想いやテーマが必ず伝わるはずだ。

ArtaArta mechanics