両レーシングチームの共通項は"かっこいい"こと|LEON × ARTAのトークセッション
2023.2.16
東京オートサロン2023のARTAブースで行われたスペシャルトークセッションにおいて、ARTA 総監督の鈴木亜久里氏とLEONの副編集長 近藤高史氏が交わしたレースにまつわるトークをピックアップ。“かっこよく勝つ”というARTAブランドの本質にも触れつつ、2人だから語れる貴重なトークショーの様子をレポートする。
トークテーマ「クルマとファッション」を背景に止まらないレース談義
トークセッションの冒頭で司会のAlee氏がレースについての話を振ると、鈴木氏はもちろん、近藤氏もLEONのレース担当ということもあり二人のトークは止まらない。
時折冗談も交えながら、お互いのチームの印象やサーキットでのエピソードなど興味深い話がいくつも飛び出した。
LEON RACINGは有力なライバルチーム
「(LEON RACINGは)有力なライバルチームです。また頑張るのよ。いいパッケージで走っていて強いし。」トークセッションの冒頭でLEON RACINGの印象について聞かれた鈴木氏は笑いながら答える。
一方の近藤氏は「世界に誇る名ドライバーであり、名監督の亜久里さんにそう言っていただけると。」と恐縮しきりだった。
富士スピードウェイで鈴木氏の運転するクルマに乗った
「(鈴木氏に)幸運にも助手席に乗せていただいたことがあるんです」と昨年、富士スピードウェイで鈴木氏のドライブするレーシングカーに同乗したことを近藤氏が明かす。鈴木氏のドライビングについて「レコードラインを走るプロドライバーの運転する先導車の後ろを走るんですけど、亜久里さんは全然違うラインを走るんですよ。びっくりしました。でも速いんですよ。」と鈴木氏のドライビングテクニックに驚いた様子。
「もう素人みたいなものですよ。何十年も(レースカーに)に乗ってないのに(近藤さんは)よく横に乗れるなと思いました(笑) でも体に力が入っていたのはよくわかりましたけど(笑)」と久しぶりのレーシングカーのドライビングを振り返った。
ARTAはかっこよく勝つイメージをもって見ていた
「(ARTAは)ただ速ければいいということではなく、カッコよく勝つイメージを持っています。そこは(LEON RACINGとの)共通かなと思って見ていました。」近藤氏はさまざまなブランドを見ているだけあって、ARTAがブランドとして掲げる核心を感じ取っていた。
一方で「ボディカラーもオレンジメインから段々と黒の面積が増えてきていて、(LEON RACING)に寄せてきてますね。」と冗談めかして語ると、鈴木氏も「レースクイーンのユニフォームもそっくりで、やられたなって思ってません?」と笑って返した。
ARTAの新体制についても踏み込んだトークを展開
「クルマとファッション」というテーマにもかかわらず、レースに関するトークが続く。
話題は、来シーズンGT500クラスにエントリーするARTAのチーム体勢にまで及ぶ本格的なものになっていった。
GT500クラスに2台エントリーはすごい
「GT500クラス2台はすごい夢のある話だと思います。GT300とGT500で同時優勝というのももちろんすごいことなのですが、今度はワンツーフィニッシュの可能性もありますからね。同じパッケージのクルマなので、ドライバーも切磋琢磨してどんどんよくなっていくと思います。」レースに直接携わる近藤氏だからこそわかる深い印象を語った。
「LEON RACINGはメルセデスでうちはNSXなんですけど、GT300だとLEON RACINGが強いんで、うちはGT500にいこうと(笑)」と鈴木氏は冗談めかして返す。「GT300クラスはLEONさんに頑張ってもらいたい」とエールも送った。
GT500クラスで2台のNSXを準備するのは大変だった
「GT500クラスに2台を準備するのは大変だったんですよ。」笑いながら述べる鈴木氏は続けて、「半年かけて根回しして、さまざまなことをクリアしながら2台体制にした」と、実際は準備が大変だったことをうかがわせる。
一方で、2台あれば有利な点が多いことも明かす。「2台あれば1台が重くなっても(サクセスウエイトを積んでも)もう1台にチャンスがある」と期待を寄せる。また、「練習時間が限られているので、2台でテストをすると2倍のデータが取れる」とクルマのセッティングでもアドバンテージがあることを語ってくれた。
期せずしてARTA MECHANICSの本質にもつながる話をしてくれた
鈴木氏と近藤氏のレーストークは、Alee氏が「クルマとファッション」というテーマを再度掲げてさえぎるまで途切れなかった。この両名であれば、「レース」をテーマにしても内容の濃いトークを展開してくれていたことだろう。
ファッションもテーマの1つとして掲げるARTAだが、本質は見る者に夢やあこがれを与えるレーシングチームだ。レースを本気で語れるからこそ、本物のブランドが作り上げられる。
ARTA MECHANICSの手がけるカスタムカー事業は、まさにレースを通じてクルマを知り尽くしたARTAならではの取り組みの1つ。本気でクルマに取り組んできた経験に裏打ちされたデザインだからこそ、見た目の派手さだけではなく、1本筋が通った印象を与えるのだろう。第1弾のLEGAVELOに続いてリリースされた、トヨタ GR86ベースの“VIGALE”もクルマのもつ本当の魅力を引き出すカスタムカーに仕上がっている。
ARTAは、2023年春に旗艦店「ARTA MECHANICS & INSPIRATIONS」をオープン予定だ。ぜひ来店して、ARTAの世界観と本質に触れていただきたい。